若手社員の離職率の高さや、自発性のなさに悩む中間管理職の方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。「自分たちが若いときは上司に何を言われても頑張ってきたのに…」「優秀だけど気骨が足りない」などなど。よく、今の若者を指して言われることですね。

この記事では幾つかの書籍にも触れながら、平成生まれで社会人歴5年のまさに「いまどき部下」の筆者が自身の目線で若手社員に対して必要な育成のあり方を3つに絞ってご紹介していきます。

1.「いまどき部下」の仕事観と帰属意識

ガンダム世代とワンピース世代の価値観の隔たり

2.具体的な3つの方法

(1) Whyで語る強力なリーダーシップ

(2) 相手の今後の目標と現状を把握する

(3) 具体的なアクションを自ら決定させる

 1.「いまどき部下」の仕事観と帰属意識

まず「最近の若者は…」といった、下の世代に対する叱責の念は、実は今にはじまったことではないそうです。平安時代の書物にも、下のものの教養がなっていないことを嘆く上官の文書が記録として残っていたと言われています。我々は、いくつになっても自分たちと下の年代の差に嘆き、叱責したい気持ちになるものかもしれません。ただ、「理解できない」で終わらせることはできません。人材流動性の高い昨今において部下の育成とエンゲージメント向上は上司や会社の責任、であるならばこれも一種のマネジメントの素養。必須スキルとして学ぶことであると心構えを変える必要があります。

ではまず何が必要なのか、と考える前に少し「いまどき部下」を一歩俯瞰して観察し理解してみましょう。いまどき部下、つまり昭和後期〜平成生まれの若手社員達はどんな時代背景で育ったのでしょうか。

参考:なぜ若手社員は「指示待ち」を選ぶのか? 職場での成長を放棄する若者たち

この本は、我々の世代をよく観察されて書かれているなと感じましたし、当事者である若手からみても「確かに」と思うところが多く、上司から部下へのプレゼントにいいかもしれません。(事実、筆者は上司から読むよう薦められて読みました。薦められた背景にはいろんなメッセージがあったのかもしれませんが。。。笑 )

この本の中で「会社は自分を守ってはくれない」「仕事以外の生き方もある」という想いが現代の若手には強いという点が指摘されています。これはまさに納得、生まれたときからデフレ世代、就活前後にリーマン・ショックを経験し学生で起業している隣人をリアルにみているので、あくまでも会社で働くことは1つの選択肢でしか無い、と「知っている」のです。ここから少し個人差が出ますが、そのように不安定な社会であるからこそ、企業に籍を置きながらも純粋に管理職になりたいとは思わず、「そこそこの待遇で土日に企業」といったパラレルキャリアを選択する人、地方で言うと「仲間同士のつながり」を大事に経済的な理想を高く持たずに地元でゆっくりと過ごすことを敢えて選択する人、職を次々と変え「経験」を自分のキャリアの価値と置く人など。少し前だと考えられないような未来予想図を描く世代なのです。

よく今の30後半〜40歳代の方々を「ガンダム世代」、30前半〜20歳代の方々を「ワンピース世代」と表現することがあります。これはまさにその世代の価値観を表しているとも思えるのですが、「ガンダム世代」はまさに「我慢が美徳」の世代。不条理なことがあっても、耐え抜くことが重要でその先に希望があると考える価値観です。かたや「ワンピース世代」はある意味対局で自由な海賊達が各々の目的達成のために、気の合う仲間とともに船に乗り合う。そしてその過程を楽しむ物語です。

ここからは個人的な意見ですが、我々の世代は良くも悪くも「人は人、自分は自分」を痛感している世代だともいえると思います。義務教育では決して教えてもらえなかった「答えは自分で決める」ということを、うっすらと肌で感じ取って大人になっているので、上司からいくら「こうすべき」と言われていても、納得が無いままには動けないことが往々にしてあるのです。「なんだか違うなあ」と感じたら、別の船に乗ればいいのですから。

2.具体的な3つの方法

(1) Whyで語る強力なリーダーシップ

では、こんな若手社員達を部下にもち、何からすればいいのでしょうか。1つ間違いなく必要なのは強力なリーダーシップです。サーヴァント型でも、どちらでもいいのですが重要なのは「若手の納得感を醸成させられるか」であると想います。

ここで2つの有名な動画を紹介します

なぜから始めよう ― 優れたリーダーはいかに行動を奮い起こさせるか | サイモン・シネック | TEDxPugetSound

Hope invites | Tsutomu Uematsu | TEDxSapporo

今の若手「ワンピース世代」への行動変容を促す1つの大事なキーワードとして「ビジョン」があります。これは、理論ではなく感情で、人を巻き込み動かすメッセージです。自分が所属する組織、仕事の内容に対して「誇り」を持てるか、が彼らの能動性を飛躍的に上昇させます。紹介した動画はいづれも、「なぜ、我々がこの仕事をすることに意義があるのか」を強烈にメッセージとして発信しています。このような態度がまさに今日的なリーダーに必要な素養であるといえます。

(2) 相手の今後の目標と現状を把握する

もう1つの重要な要素として、今の若手は先に述べた通り「人は人、自分は自分」の意識が高いため、ある種とても合理的です。みんなが憧れるスポーツカーを一様には目指さないし、出世コースも望まない。自分が決める価値基準に従って動く、とても合理的な側面を持っています。だからこそ、必要なのはストレートに相手の望みを聞くことです。会社で、あるいは会社外でどのような状態で「在りたいのか」を探ることがまずは必要です。

「実は企画の仕事にチャレンジしたいと思っている」と具体的に聞き出せたらベストですし、そうでなくても「この人は自分の意見を尊重してくれようとしている」と感じてもらうこと自体に意味があります。そうすることで、自己開示をすることへの抵抗が薄まり、結果として上司へのエンゲージメントは間違いなく高まります。

 

(3) 具体的なアクションを自ら決定させる

筆者の知り合いで、誰もが知っている大手金融企業に務めた友人Aの話をします。友人Aは学生時代勉強と部活の両立に励み、大手金融企業の内定を勝ち取りました。彼は社会人になったら、就活中に出会った先輩達のように、キラキラと海外で活躍し世の中を変えるような仕事につけるんだと目を爛々と輝かせて周囲に語っていました。

しかし、彼の初任地は四国の小さな営業所。そして一番最初に教えられたのは営業所のパート職員の皆さんに朝食の差し入れとしてゆで卵をつくること。

彼はとても落ち込みました。同期の東京で働くメンバーと大きな差が生まれているのではないか、自分が大学で勉強してきたことが一切生かされていない今の現状、チャンスも与えてくれない上司。全てに落胆し、東京の転職エージェントに何度も電話をかけたそうです。もちろんポテンシャルのとても高い彼に対していくつかの魅力的な転職先が紹介されたそうです。

しかし、彼がそこで一歩踏みとどまったのは支店の上司との腹を割った1対1の面談(飲みの席)だったそうです。彼は、業務終了後、突然上司に呼び出され飲みに誘われました。普段なら断る飲み会も、そのときは「君としっかり話したいことがある」と真面目な面持ちで誘われ、圧倒されるままについていったそうです。赤ちょうちんが並ぶ通りで、一緒にお店を選び、狭い店内に吸い込まれるように座った二人。着席して早々、上司は1枚の大きなA3の紙を広げました。そこに書かれていたのは上司自身のキャリア計画進行表。そこには社内外で自分が何を達成していくかが書かれているものだったそうです。進行表を見せながらゆっくりと、自分自身が支店に異動になった際の話を友人Aに共有し、最初落ち込んだこと、ただそこから腐らずに事業を伸ばし、社外の交流会も企画していることなどを語ってくれました。

友人A自身も話を聞いているうちに、自らが感じているキャリアへの不安や人事に対する不満などを話を上司に正直に打ち明けました。その時

「なるほど。で、君は今の状況からどうすることが自分の将来にとってベストだと思う?決してこれは、私が上司だから聞いているのではなく、出会えた社会の先輩として一緒に君にとって一番いい道を考えられたら嬉しい」

と言われたそうです。彼はこの言葉とその時の上司の真摯な態度からその後転職活動を辞め、今一度考えを改め、自分が仕事場でチャレンジしたい業務を上司に相談しながら実現していったそうです。

今でこそ、東京本部で働く彼は当時のことを「言わされた」と笑っていますがとても彼の当時の心情を察し、自らキャリアを決めさせたその上司の手腕はとても素晴らしいものだと思いますし、未熟であった彼に対しても目線を合わせにいったことが彼の心を動かしたのかもしれません。

ここまで書いてみて、改めて思うこととして相手の心情を察して望む道筋を提供するのはある意味仕事で必要となるベーススキルなので特段「若手だから」というものは無い気がしてきました。きっと、社内にいる人間だから、自分の部下だから「思い通りに動いてくれよ」という期待感があるのかもしれませんが、そこをぐっと堪える必要がありそうです。

この記事を機会に筆者も改めて自分の仕事観や態度を見直して見ようと思う次第でした。

では!どろん

 

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