学習する組織 「トランザクティブメモリー」とは

こんにちは、今日は前から調べたかった、組織パフォーマンスの向上に関連する重要な着眼点として注目されている「トランザクティブメモリー」について書いていこうと思います。

そもそも、言葉自体聞いたことないという方もいらっしゃると思います。言うならば「組織において誰が何を知っているかをみんなが理解できている状態」のことです。よくビジネス上で「情報共有」という言葉はたくさん使われると思うのですが、人の能力には限界が有るので一人の人間ですべてのものごとをわかることは厳しいです。すべてのWhatを知る必要はない、必要なのは「Who knows what」だというスタンスで、チームを組織することの重要性について調べたことや実体感として学んだことをまとめます。

1. トランザクションモデルとは? タバコ部屋の効用

以前記事にて「両利き経営」の話をしました。ここではイノベーティブなサービス開発には新しい知の組み合わせ、掛け合わせがイノベーションに不可欠であることをお話しています。では、それがわかった上で具体的に組織の人間はどうやって行動しないといけないのか、と考えるかと思います。まさに、次のアクションは知の掛け合わせのためのコミュニケーションが必要になるのです。この時とても重要なのが「情報の共有化」に意味はないということです。もっと厳密に言うと、専門性の高い「知」を全員が同じレベルで把握、理解することは不可能だということです。すべてのWhatを知る必要はない、必要なのは「Who knows what」だというスタンスが多くのイノベーティブな起業にて言われています。「○○さんに聞けば、このことはすべてわかる」ということ自体を知っておくことが重要なのです。実際に経済学者の中でこのトランザクティブメモリーの重要性については現在も研究がされているところとのことですが、チームのパフォーマンスと記憶力を高めると言われています。逆に、チームのメンバーが「誰に何を聞けばいいのかわからない」状態は健全ではないということが言えます。こちらのほうが、なるほど確かに共感しやすいしれません。

2. 具体的なアクション事例

じゃあ、トランザクティブメモリーが重要な事は理解したとして、具体的に何をすればいいのか。じつはここで、日本の昔はよくあった職場の「飲み会」のような顔と顔を付き合わせるようなコミュニケーションいが海外で見直されています。特にシリコンバレーの多くの企業では社員が遊ぶ場所を作ったり、コーヒースタンドをオフィスの真ん中に設けたりと様々な工夫をして社員が休憩したいときに他者とふれあいコミュニケーションができるようにしているのです。
また少し毛色が変わるかもしれませんが、Googleによって行われた組織の生産性を向上するための因子特定の調査では「組織の心理的安定性」が最も生産性に影響を及ぼすと言われています。これはエビデンスもあるのでまた改めて記事にできればと思うのですが、組織のパフォーマンスは「自分が嘘偽り無い状態で組織に所属できているか」「話しやすい環境であるか」がとても重要、というよりはむしろ条件である、というものです。

3. ブレストって、意味ない?本当の効果

イノベーティブといえば、アイディア。アイディアを出すための最初のきっかけはブレスト。なんてイメージが有るのは私だけでしょうか。ただ、実は「ブレストでアイディアを出すのは効率が悪い」というのが最近の経済学者の共通見解*のようです。(*個々人がアイディアを最初からディスカッションしていく方法に比べてアイディアの質・量ともにいい結果が出ないという論文が「ベーシック・アプライド・ソーシャルエコロジー」にて掲載。)
ただ、これは色々調べた結果、「グループによるブレストワークは注意して行わないと効率が悪い」という見解が誤解を生まない考えなのではないかと感じてます。彼らの主張でいうと、ブレストがアイディア出しの場として失敗する要因は、他者への気兼ねと集団でのディスカッションによる思考停止と言われています。また、イノベーティブ企業の代名詞であるIDEOのブレストを観察した結果、先程上げた「トランザクションメモリーの醸成」「価値基準、行動規範の照準合わせ」といった、アイディア出しを超越した意味を持って取り組まれているということも主張されています。価値基準について、補足すると、よくディスカッションワークが終わった後にも立ったままいろんなことを話し続けているようなケースが有ると思います。それらのインフォーマルなコミュニケーションを通じて、ああだこうだと言いながら1つのトピックについて同じ方向性を感じるようになる。それがまさに価値基準があってくるのです。

つまり、普段からのインフォーマルなコミュニケーションを重要視し(人事担当はそれを促進するような強制的な環境をも準備し)組織のトランザクションメモリーを向上させていくこと。ディスカッション時はブレストワークのチームの構成に気をつけること、前もっての個人作業でブレストした状態でディスカッションから入ること、などが
イノベーティブな成果を発揮するために必要不可欠な要素であるということです。

参考:ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学
 
この本はもっとメソドロジーよりのことが書いてあったのですが、組織論に少し興味があったので記事にしました。
では
どろーん

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中